結論
WordPressを使うことで、サイトを構築する際に必要な作業のうち、
プログラミングが伴う作業を(ほとんど完全に)画面での設定作業に置き換えることができます。
次項以降で、これらについて深堀りしていきます。
このシリーズについて
このシリーズでは、WordPressに初めて触れる人を対象に、
「WordPressってなに?」というところから、
実際にサイトを立ち上げてみるところまでを、
できるかぎり平易に説明していきます。
第4回のテーマはズバリ、「WordPressでどこまで楽になる?」です。
この記事の目的
- 1からの構築に比べて、WordPressを使うことでどこまで楽になるのか? を明らかにする。
WordPressでどこまで楽ができるのか
前回までのおさらい ~WordPressは完全ではない
第1回~第3回では、WordPressはコンテンツを管理するためのソフトウェアであり、
WordPressそれ単体ではサイトを作ることは厳密にはできず、
サーバーやドメインを準備するという作業が必要であることを事前にお伝えしました。
ここまでで、
「Googleで『WordPress』と検索して、インストールしたら、
あとは記事を作っていけばOK」ではないことを理解しておく必要があります。
つまり、はてなブログ等のような、いわゆる”ブログサイト”ではないということです。
そして、今回のテーマである「WordPressでどこまで楽ができるか」を理解するには、
以下を理解できている必要があります。
- 一般的に、1からサイトを構築する場合の全体の手順
- そのうち、どこがWordPressで置き換えられる作業なのか
- 作業のBeforeとAfter
また、これらが理解できていることによって、
この後実際にWordPressでサイトを構築しよう! と思った場合に、
自分で勉強して手を動かさないといけないところはどこか? も分かると思います。
それでは、これらを順に整理していきましょう。
一般的に1からサイトを構築する場合の全体の手順
一般的に、1からホームページを作成しようと思った場合、
ざっくり以下の手順を踏む必要があります。
- コンテンツを置いておくための、サーバーを構築する。
- インターネット上にコンテンツを公開するためのドメインを取得する。
- html、css、javascript等をプログラミングして、サイトの外見を作る。
- java、C#等をプログラミングして、サイトの裏側の動作を作る。
- 2.3.が問題ないかをテストする。
- プログラミングしたファイルを、サーバーに保存する。
- サーバー、サイトのセキュリティ対策を行う。
さらに、コンテンツは日々追加・変更されていくものですが、
CMSを使わない場合は2.~6.の作業をプログラミング言語を使って繰り返します。
当然、サーバーにセキュリティソフトを入れたり、
証明書を購入して通信をSSL化したり、
SEO対策も自前でプログラムする必要があります。
こんなのを1からやるのは、あまりにも負荷が高すぎますよね。
では、どこがWordPressでできるのか?
これを、WordPress + その周りのサービスを利用して同じことをしようとすると、
これだけ楽になります。
- インターネットで、レンタルサーバーのサービスを探して、契約する。
- レンタルサーバーのサービスを利用して、ドメインを取得する。
- レンタルサーバーのサービスを利用して、セキュリティ対策を行う。
- WordPressをレンタルサーバー上にインストールする。
- 好きな有料・無料テーマをWordPressからインストールする。
どこが楽になったのか? がいまいちピンと来ていないかもしれませんが、
この手順の中で、なんと1文字もプログラミング言語を書いていません。
htmlを書いたり、javaを書いたり、書いたものをテストしていた前の手順と比べると、
その作業はすべてWordPressに置き換わっています。
「え、インストールしてるだけだけど……?」と思われるかもしれませんが、
まさに、それしかしていません。
また、セキュリティ対策やドメイン購入は、
レンタルサーバーのサービスとして提供されている場合が多いです。
そして極めつけは、大手のレンタルサーバー会社であれば、
「WordPressかんたんスタート」などの名前でサービスを提供しており、
無料で、1クリックでWordPressのインストールまでやってくれます。
そのあとは、
サイト全体のコンセプトを大きく左右する「テーマ」をインストールしたり、
WordPressをより使いやすくする「プラグイン」をインストールするだけ。
ここまでくれば、WordPressからひたすら記事を投稿するだけです。
※テーマについては次回と次々回、プラグインについてはその次の回にやります。
作業のBeforeとAfter
Before
- サーバーをどこかから購入して、用意したサーバーのセットアップをしないとならない。
- もちろん、セットアップしたサーバーの運用・保守もする必要がある。
- お名前ドットコムなどで、独自ドメインを取得する必要がある。
- htmlやcssを使って、サイト全体の見た目を作る。
- javaやC#を使って、サイトの裏の動きを作る。
- それらの動作テストをする。
- セキュリティソフトを買って、サーバーにインストールする。
- SSL証明書を買って、通信を暗号化する。
- SEO対策が必要なら、必要に応じてプログラミングする。
- 見た目をガラッと変えたい!という場合は超大掛かりなプログラミングのし直しになる。
After
- ネットでレンタルサーバーを契約すれば、サーバーの準備は完了。運用保守も必要なし。
- 大手レンタルサーバーなら、サービスの一環でドメインが取得できる。
- 大手レンタルサーバーなら、サービスの一環でSSL化などセキュリティ対策もできる。
- 大手(中略)、WordPressのインストールもやってくれる。
- 作りたい見た目・コンセプトに合わせてテーマを用意する。
- 見た目をガラッと変えたい!という場合はテーマを変えればOK。
改めて結論
WordPressを活用したサイト作りに必要な作業は、
レンタルサーバーの契約と設定、使いたい「テーマ」の選定とインストールだけ。
「またまた、それだけじゃないでしょ?」と思われる方もおられると思います。
実際、WordPressはもっともっと多機能ですが、多すぎる機能を使わなくても、
最低限上の4作業だけで記事を投稿する準備は整います。
次回予告
今までも、さんざん「テーマ」という言葉を当たり前のように使ってきましたが、
「テーマ」ってなに? そもそも「準備は整った」って書いてるけど、どう記事を公開するの?
という疑問がわいたと思います。
次回第5回は、「WordPressで記事を投稿してみる」と題して、
「テーマ」のさわりまで書ければと思っています。それでは。
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